2016年07月01日
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ヤマト界に訪れつつ新しい分裂の危機とは何か?

Written By: トーノZERO連絡先

「以下は、かなり昔の話だが世に出る機会を失っていた記録だ」

ヤマト界に訪れつつ新しい分裂の危機とは何か?

「はっきりと明瞭に意識できた」

「分裂の危機って何だよ。西崎派と松本派の対立は既に過去だろう」

「もちろん、既に亡くなった西崎さんが、既に老境の松本さんと戦う話ではない」

「じゃあ何だよ」

「本来はSBヤマトが亀裂を発生させそうになったのだがね。あまり深刻な亀裂は発生させなかった」

「どんな亀裂?」

「SBヤマトの肯定と否定で、決定的な対立が生まれる懸念があったのだが、実際にはそれほど深刻な事態にはならなかった。肯定も否定も決定的なものではなく、意外と【この部分は良かった】【亜流としてならこの程度ならまあ許せる】【許せないけど、好きな人がいるならまあ存在は許してやる】ぐらいのところで、血みどろの戦いにまでは発展しなかった感じだ」

「それで、新しい分裂ってなに?」

「ヤマト2199を巡る問題だ」

「ヤマト2199を巡って誰と誰が分裂するの?」

「片方は、ヤマト2199に関して、どんな高額商品も喜んで買う忠誠度の高いヤマト2199ファン層だな」

「もう片方は?」

「とりあえずヤマト2199の結末が見えないうちは判断を保留していたが。結局あまり納得が行かなかった層だな」

「彼らの間にある決定的な違いってなに? 両方ともヤマトファンなのじゃないの?」

「後者の層は、ヤマト2199商品しか新作が出ない状況に不満がある。しかし、前者の層が、ヤマト2199商品を買い支える限り、それは商売になるから発売され続ける」

「問題はそれだけ?」

「そうじゃない。ヤマト2199商品にしても、実はけっこう偏りがある。実はその偏りを肯定するか否定するかで層が分かれてしまう。ヤマト2199に関して、どんな高額商品も喜んで買う忠誠度の高いヤマト2199ファン層は当然肯定していることになる。しかし、ヤマト2199を否定していないとしても、商品構成をあまり肯定していない層も実際にはいる」

「それじゃ真の対立軸はどこにあるの?」

「うん。だからね。商品展開的な意味でのヤマト2199を肯定する者達と、肯定できない者達で決定的な亀裂が生じる可能性がある。前者は自らの可処分所得の範囲内で新しいヤマト2199グッズをおねだりするので、その金を狙って実際に発売される。でも、後者の人達にとって、それは欲しい商品じゃない。無限にコレジャナイ商品が増えていき、不満が無限に蓄積される」

「確かに火種になりそうだ」

亀裂を決定的にしたのは §

「たぶん星巡る方舟が亀裂を決定的にしたと思うよ。あそこで、【素晴らしい素晴らしい喜んで買います】という人達が出てきてBDのオリコン1位というニュースが出て社会から歓迎されているように見えるが、実際にヤマトファンと話をしていると、そこまであの映画を肯定していない層もかなり厚い。人により解釈や肯定する度合いは異なるがね」

「オリコン1位とヤマトファンの支持は一致していないわけだね」

「でも、星巡る方舟の快進撃は止まらない」

「なんで?」

「金になるからさ」

「金を出す客には影響力があるけど、金を出さないで冷ややかに見ている目に影響力はないわけだね」

「そうだ。だから今はいびつな方へいびつな方へと天秤が傾いて亀裂を深めていく状況だと思う。そのうちにヤマトファンという層は消えてなくなり、2つの派閥に分かれて分離独立してしまうかもしれないぞ」

オマケ §

「で、西崎派対松本派に代わる新しい対立の名前は?」

「さあ。どこの誰が亀裂の発生源か良く分からないのでね。名前は不詳」

オマケ2 §

「このままヤマトファンが分裂してヤマトが沈んでしまう事態になったらどうする?」

「決まっている」

「どう決まっているの?」

「救命艇から敬礼しながら沈むヤマトを見守るさ」

「第1艦橋に沖田艦長が残っておられるぞ! って叫ばないの?」

「今のヤマトに沖田艦長は乗っていない」

「ひぃ~」

「何が問題なの?」

「ずいぶんと状況が変化したので、変化をまとめてみたい」

「じゃあ、その話を始めてくれ」

「さて本題に入ろう」

「うん」

「まず、以下の2点は現在もあると考えて良い」

  • ヤマト2199そのものの評価が2分されている
  • 特に方舟の評価が2分されている

「分かった。でもさ、それで終わりではないのだろう?」

「そうだ。以下は既に過去では無いとわかった」

  • 西崎派と松本派の対立

「でも、西崎さんは既に故人で松本さんも老境だろう?」

「実は、松本系の立場で異論を唱える人がまだいることが分かったので、そこからの巻き返しはあり得ると思う。一方で、西崎義展さん直系の人たちもいて実際に企画が動いている」

「なんてことだ」

「しかし、それとは似て非なる別の動きも見えてきた」

「それは?」

「梶原一騎原作【新戦艦大和】の発掘に見られる【宇宙戦艦ヤマトの原点探し】だ」

「西崎義展さんが原作者であるという判断がゆらぐの?」

「現実問題として、戦記ブーム時代の膨大で雑多な【大和もの】作品群を原作扱いすると収拾が付かなくなるので、宇宙戦艦ヤマトの企画がそういう名前が付く前から進めてきた西崎義展さんが原作になるのは妥当だと思うのだが」

「だが?」

「特定の作品に類似点があると言い出すと、判断が揺らぎかねない」

「なぜ揺らぐの?」

「歴史の捏造は今どきの流行りだからさ。何もかも素晴らしいものは何でも彼が発明したことにされたスティーブ・ジョブズという大悪党の例を見てみろ。彼を嘘まみれにしたのは彼自身だけか? そうではない。大量の信者があり得ない嘘を付き続け、あたかもそれが事実であるかのような風潮を作ったからではないか。社会が嘘に向かって邁進している時代なのだよ。そういう時代にアポロは月に着陸していないし、反米運動が盛り上がっていて誰もアメリカの言うことなど信じていなかったベトナム戦争当時の1960年代も無かったことにされているわけだ」

「ひぇ~」

「というわけで、いろいろと火種は尽きないよ」

「まとめてくれ」

  • 2199の評価の分裂
  • 2199の関連グッズ戦略評価の分裂
  • 方舟の評価の分裂
  • 松本派の巻き返し
  • 真の原作探しの潮流

問題の軽重の評価 §

「【2199の関連グッズ戦略評価の分裂】の問題だが、おおむね現状はおかしいという点で大勢の意見は一致しており、それほど深刻な分裂ではない。というか、これはグッズを企画する側と買う側の分裂だね」

「どのへんが分裂している?」

「プラモデルすら作ったことがない女性ファン層に対してガレキの古代君を【どうぞ】と差し出されても売れないに決まっている。森雪を完成品フィギュアで出すなら古代こそ完成品で出すべきだろう」

「で、2199の評価の分裂はどうだい?」

「やはり、2199が始まった時点で【すげえ】と思った人と【下手くそ】と思った人のギャップは相当深い」

「何もかも2199基準で語っている人と旧作基準で語っている人は実際にいるわけだね」

「そこも地雷と言えば地雷。ヤマトファンの全員が銀河航路やガミラス国家を歌うのが好きだと思っていると全部ひっくり返る可能性もあり得る」

「ひぇ~」

「方舟の評価の分裂は最も深刻だろう。本当に相互理解が絶望的なほど溝は深い。ともかく、肯定評価にせよ否定評価にせよ、なぜそれが肯定につながるのか否定につながるのかそもそも理解できない人が割と多いようだ」

「本当に溝が深いわけだね」

「まあ、それが共感駆動ってことなのだがね。共感さえできれば心の深いところに作用して満足感を得られるが、共感できないとはるか遠くにはじき飛ばされて宇宙を漂う感じの作品だからな」

「では、松本派の巻き返しはどうだと思う?」

「状況をひっくり返せるだけの力はまだ無いと思うのだがね。状況を引っかき回すだけなら十分に可能だろう」

「では、真の原作探しの潮流の深刻度はどの程度だと思う?」

「それこそ、何が発見され、誰がそれを喧伝するのかにも依存するので先行きは不透明だなあ」

将来の見通し §

「では、どうなれば良いと思う?」

「ヤマト2202が世の中のファンの大多数を納得させる良い作品になって、取りあえず対立は全て棚上げになるといいなあ」

「願望かよ」

「じゃあ、最悪のシナリオ」

「それはなんだい?」

「ファンが細かい派閥に別れて無限に細分化され、マスとしてのビジネスが不可能な領域に入って全て同人誌、同人アニメになる」

「ひぇ~」

その他 §

「新作が全く存在しない長い期間を経たヤマトファンには、全て自分の世界がある。安易な設定を新作で付ければ付けるほどそれと致命的に当たってしまい、無駄な敵意を誘発する。空白地帯は新設定で埋めるのではなく、空白のまま残す方が良いと思う」

「作品にとって不必要な設定はそもそも作らないのが良いわけだね」

オマケ §

「こっちは旧作基準で語っているのに、相手は2199基準で語っている……というのは実はよくあること」

「ひぇ~」

「現実問題として、既に2199のしょぼさにどんどん忘れつつあって旧作基準で語る人と、2199の凄さで旧作の印象が押し流されてしまった人は存在する」

「ちょっと待て。2199ってしょぼいのかよ。凄いのかよ」

「真実は君の心の中にしかない」

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