2018年10月19日
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合体巨艦ヤマトなど、コミック・レッドホークシリーズを読んで泣く

Written By: トーノZERO連絡先

「レッドホークシリーズのコミックがkindleで手軽に読めるので、少しずつ読んでいるのが泣けてしまう」

「どんなシリーズだい?」

  • アオシマ・コミックス1 スペースキャリア レッドホーク
  • アオシマ・コミックス2 レッドホーク ヤマトPARTII
  • アオシマ・コミックス3 レッドホーク連合艦隊
  • アオシマ・コミックス4 レッドホーク シャイアード
  • アオシマ・コミックス5 レッドホーク 古代ロボ ゴダイガー

「今はシャイアードを読んでいる途中だ」

「合体巨艦ヤマトも含まれているのかい?」

「当然だ」

「で、なぜ泣くんだい?」

「うん。それはね。出来が良いから」

「えっ? どういうこと?」

「子供っぽい描写、ヤマトのパクりみたいなメカや展開、無理のあるストーリー、破綻した設定など、まあ子供向き漫画らしい要素は満載なのだがね。実はそれらを全て取っ払った後に残るストーリーの骨格は非常に強固で立派なものだ。見事なプロの仕事だよ」

「じゃあ何に泣いたんだい?」

「うん。この骨太のストーリー構成、これは宇宙戦艦ヤマトには無いものだなあ、と思って」

「それはヤマト2199批判かい? ヤマト2202批判かい?」

「いや、旧作の時点の話だよ。ストーリーのまともな骨格はヤマト1974と1977を除いてないと言っても良い。さらば宇宙戦艦ヤマトは最後にグダグダになってしまうし、ヤマト2以後は迷走が酷すぎる。迷走という意味ではそもそもヤマト1974にも迷走要素がある」

「じゃあなんだい?」

「うん。だからね、ヤマトそっくりの設定を使って描かれたレッドホークシリーズは、結果的に【ヤマトのストーリーはこことここがだめで、こうすると良くなりますよ】という添削になっているのだよ。これは泣ける」

「感動の涙じゃないのか!」

事例 §

「たとえば分かりやすい例を教えてくれよ」

「そうだな。ボロボロになってエネルギーも底を突いて、それでも地球を守るためにラスボスに突っ込んで行く」

「さらば宇宙戦艦ヤマトそっくりの展開だね」

「でも結末が違うんだよ。全員で死を覚悟して突っ込むが体当たりで敵を粉砕して終わる」

「全員で?」

「そう、誰も退艦しない」

「突っ込んで敵を粉砕してしまうの?」

「そう。だが粉砕できるという勝算があって突っ込んだわけではない。あくまで結果論だ」

「それにはどんな意味があるんだい?」

「きちんと緊迫感を出した上で、最終的な解放もきちんと描いている」

「それはさらば宇宙戦艦ヤマトには欠けているものだってことだね」

「そう。さらば宇宙戦艦ヤマトの場合、古代がうだうだしている間、なぜか敵は攻撃してこない。しかも、沖田の亡霊が正解を教えてくれる。実はここで緊迫感は削がれる」

「みんなそう思ってないよ」

「ここから戦闘パートから泣けるパートに突入するからな。そんなものはどうでもよくなる」

「プロはそれじゃダメだってことだね?」

「そう。ここで突然投身自殺の話にすり替わってしまう。せっかく大砲が山ほど付いた超巨大戦艦が登場しながらその大砲には何の意味もなかった。構成が悪い」

「合体巨艦ヤマトの方が構成が良いわけだね」

「他にもある。レッドホーク艦隊の軍艦には全て名前があって数が多すぎない。一艦隊に5隻ぐらいしかいない。そして、戦っているうちに一隻ずつ沈んでいく。これは緊迫感の出し方として上手い」

「ヤマトだとハイパー放射ミサイルの盾になって駆逐艦が沈むよ」

「でも、盾になる駆逐艦に名前はないし画面描写的に数もはっきりしない。曖昧なんだ」

「冬月は?」

「冬月は盾にならない。最後まで残ってヤマト乗員を収容する」

「あれ?」

「実はレッドホーク艦隊の艦艇の名前はミリタリー趣味的にはいろいろおかしい。戦艦の名前も巡洋艦の名前も駆逐艦の名前も混在している。でも、設定上はおかしいのだが、物語構成上は印象的な名前がそれぞれの宇宙艦に付いていることが重要なのであって、それはそれで正しい。読み終わってみればその名前に印象と魅力があるんだ」

「そこはヤマトより上手いってことだね」

「そうだな。しかし、レッドホークを子供のマンガ、ヤマトのパクり……ぐらいに思って軽視しているとそれは素通りして頭に入らないだろう」

オマケ §

「大人向きなのに子供向きに劣るってことはあるの?」

「物語とはある対象に何か語るために成立する。その目的に対して最適化され、構成される。だから、大人向きだろうと子供向きだろうとやることは同じだよ。読者を馬鹿にしたら成立しない」

「子供は馬鹿にしちゃいけないってことだね」

「本当は大人も馬鹿にしてはいけない。でも、実際は大人をなめた大人向きの物語がいくらでも存在する」

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