謎のアニメ感想家(笑)、翼の騎士トーノZEROのアニメ感想行ってみよう!
今日の舞-HiMEの感想。
サブタイトル §
第12話「天使のほほえみ」
あらすじ §
吸血鬼事件の犯人として疑われたシスターは生徒会で取り調べを受けます。
舞衣は理事長に何が起きているのか話を聞きに行きますが、理事長は何も言えないとしか言いません。
理事長は、菊川 雪之に電話を掛けて姫の力を使うように求めます。
なつきは、神父が怪しいと気付き、教会の地下室に乗り込みますが、逆に捕らえられます。しかし、ワルキューレはチャイルドを具現化した状態で倒さねば意味がない、という理由で殺されることを免れます。
舞衣は楯に、自分たちが何とかするから関わるなと言います。
雪之は姫の能力を使って、オーファンとなつきの居場所を発見します。
雪之は舞衣に携帯でその場所を知らせます。
舞衣と命はそこに乗り込み、助けたなつきと共に深優・グリーアやオーファンと戦います。そして、アリッサ・シアーズが黒幕であることを知ります。
舞衣、命、なつきの3人の力は大きく、オーファンは倒され、深優・グリーアとアリッサ・シアーズは去ります。
責任を取って神父は学園を去り、シアーズ財団からも不要扱いされます。そのあとの指揮は、神父に代わってアリッサ・シアーズが取ることになります。
吸血鬼事件は、変質者の仕業ということで一件落着されてしまいます。
感想 §
今回、良かったのは2カ所。
1つは、楯の描写。特に、舞衣と会話をするところなどは、とてもドキドキする良い感じですね。あらためて思うことは楯の価値の大きさですが、それは楯の立っている位置が、視聴者が感情移入する位置だからでしょう。視聴者は、楯に感情移入することによって、この作品世界の中に存在する位置を与えられます。しかし、位置を与えられたとしても、そこで見ていることしかできません。悶々としながら、ただ見ているだけのスカッとしない立場です。しかし、逆に言えば、見ていることができるというのは非常に贅沢な立場とも言えます。戦う「姫」達を、遠くからであってもハラハラしながら見ることができる男性はけして多くありません。この楯の立場の二律背反性が、とても情感を盛り上げてくれますね。
もう1つは、私は舞衣が好きなのか、とスカッと言い切る命。舞衣の作ったご飯が好きだと思い込んでいた命が、本当は舞衣が好きなのだと気付くところですが、恋愛感情抜きのスカッとした言い方で盛り上がるところが非常に気持ちがよいですね。男女の(あるいは女と女の)ドロドロした関係抜きで、人と人とが好意を持つことの素晴らしさ。それは本来とても大切なことだと思いますが、今ひとつそれを上手く描いた作品は多くないような気がします。そういえば昔、脱ジェンダー的キャラクター論というような話もあったなと思いつつ。
今回の一言 §
シスターの取り調べ中に届くカツ丼。カツ丼と言えば、取調中の食事の定番ですね。刑事ドラマでもないのに、カツ丼が届く描写が面白いです。しかし、これは面白いだけのシーンではありません。そこを見せ場にして強調するのではなく、カツ丼が届いた状況を描いた次の瞬間に話は先に進んでいます。この演出のテンポ、リズム感が実に爽快ですね。これだけのネタであれば、見せ場にしても良いのにそうしないのが秀逸なセンスです。