2010年10月28日
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続々・パソコン雑誌戦線に異状有り?

Written By: 川俣 晶連絡先

「というわけで、本屋のパソコン雑誌コーナーのウォッチングの続きだ」

「まだ続いてるの?」

「ちょっと癖になってな。時々見るようになったのだ」

「それで?」

「最近は新しい傾向が出てきた」

「それは何?」

「年賀状本の台頭だ」

「データ集と簡単なプログラムが付いたムックだね」

「凄く季節感がある話だ」

「もう、どのメーカーが勝つかって話じゃないね」

「そりゃどのメーカーよりも年賀状と正月の圧勝だ」

それ以外の傾向 §

「それ以外の傾向は?」

「あまり変化がない」

「小さな本屋はやはりiPhone/iPad系が弱い?」

「多少上下するがコーナーを圧倒する勢いは無い」

「あるときはあるのね」

「無くなるわけではないが、比率としてはあまり上がってこない。まあ、見ている本屋だけの傾向かもしれないけど」

「で、大きい本屋は?」

「やはりiPhone/iPad系圧勝。他を圧倒する勢いだ」

「アンドロイドは?」

「あることはあるが、数は少ないね。というか、この前府中で見たときは2冊目立つ形であった。どうも、ライバルのブランドがアンドロイドに統一されてきた感じだ」

「それで?」

「あとは、WindowsとかPCとかを冠した雑誌がちょぼちょぼと。その他は週刊ASCIIとかSoftwareDesignとか、焦点が見えにくいタイトルが少々」

アンドロイドは電気羊の夢を見るか? §

「アンドロイドは本屋ではぜんぜんiPhoneのライバルに見えないね」

「うん。今日もauのチラシが郵便受けに入っていて、IS03近日発売で数に限りがあると煽っていたが、本当にどれほど売れるかは分からない」

「でもさ。実際はiPhoneだってマスコミとネットで騒がれているだけで、あまり売れてないんだろう? それと比較して露出が少ないアンドロイドならもっと少なくても不思議はないだろう?」

「まあな。でも実際は良く分からないよ。販売店の当事者ではないからね」

トリックの源泉 §

「でも、あまり売れてないはずのiPhone本で本屋の1コーナーが埋まるって、どういうことだろう?」

「もちろん理由はある」

「どんな?」

「世の中の大多数のパソコンはWindowsだが、例外的かつ伝統的にMacintoshが支持されている小集団が2つある」

「それは何?」

「印刷とデザイン」

「なるほど」

「そして、印刷やデザインと密接不可分の出版業にもMacintoshが深く食い込んでいる」

「でも客の多数派はWindowsパソコンだろ?」

「そうだ。しかし、それは極めて不便だ」

「そりゃそうだ。互換性ないんだから」

「そこで彼らはこう思う。みんながMacを使えば解決する」

「は?」

「しかし、その方法論は失敗した。そりゃそうだ。いくら出版業を抱き込んでも、奇矯な小集団の影響力はたかが知れている」

「それで彼らは大人しくなったの?」

「いや。ゲルダムの力を取り入れてゲルショッカーとして蘇ったのだ」

「へ?」

「だからさ。彼らは援軍を得たのだ」

「どういうこと?」

「日本のガラパゴス携帯を叩いて視聴率を取りたいマスコミと、オープンソースと泥棒と不況であえいでいるソフト開発者だ」

「それが援軍か」

「マスコミは見栄えがほぼ全てだから、デザイナーが支援する陣営は好意的に取り込む。そして、ソフトに金が払われている伝説を流せば開発者のハートもがっちりキャッチできる」

「なるほど。でもなぜMacじゃないの?」

「MacでダメならiPhone/iPadってことだよ。彼らはまず逆襲したいのであって、彼ら自身を社会の最先端グループと承認させたいわけだ」

「実際は迷惑そうだけどね」

「『そう』じゃない。実際迷惑なんだよ。小集団が突っ張っていると多数が迷惑する」

「ははは」

「さて話は本題に戻る。つまり、出版関係はもともとのMac派であり、Apple派であり、これを機会にMS主導の世の中をひっくり返したいわけだ」

「そうか。だから湯水のごとくiPhone/iPad本が沸いてくるわけだね。ニーズに関係なく」

「そうだ。ニーズがあるから本を作るんじゃない。ニーズを作りたいから本を出すわけだ」

「そう考えると、なぜアンドロイド本が少ないのかも分かるね」

「そうだ。基本的にLinuxベースのアンドロイドとの接点は、出版業界にもデザイナー層にも印刷業界にもさほど無いからだ。彼らに応援する理由は何も無い」

「それが、本屋で見えるこの露骨な扱いの差というわけだね」

オマケ §

「じゃあ、アンドロイドの支援者はどこにいる?」

「Linuxの支援者ということなら、おそらくアカデミックな世界とそことつながってる人だろう」

「どうして?」

「彼らは金がないから、安価に使えて自由度も高いUNIXを伝統的に愛用してきたが、その後継がLinuxだからだ」

「UNIXって安かったの?」

「うん。だって純正OSじゃなくて、AT&Tベル研の研究成果だからね。金儲けのために開発した商品じゃない」

「なるほど。でもさ、彼らからアンドロイド端末を買いに行列した話はあまり聞かないね」

「そりゃそうだ。金が無いんだから」

「ははは。身も蓋もない」

「結局googleは、安価に済ませたいから金を払わなくていいLinuxを使って成功したが、その方法論を肯定する層は自分もgoogleに金を払わない」

「そこがgoogleのジレンマだね」

「広告が有料であることは認めさせたが、ソフトは無料と思わせてしまったからね」

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