前回までのあらすじ §
- 1965年(昭和40年)のイギリス製特撮人形劇TVドラマのサンダーバードにおいて、エンパイアステートビルを移動させるエピソードがある
- アイデアの元は日本のデパート(department store)の移動であるという情報がある
- 日本の曳家の事例を調べると、それに近いのは新宿聚楽ビル(昭和35年)であるが、デパートではない
今回判明したこと §
https://twitter.com/ksk18681912/status/1193588682038464512より
さて、本郷バーの模倣をしてレストランチェーンを展開した須田町食堂。
現在では聚楽に名前を変えていますが、そのきっかけになったのが昭和9年に開業した「食堂デパート」新宿聚楽でした。
つまり、新宿聚楽ビルは我々が通常考えるデパートではないが、【食堂デパート】として宣伝された有名なビルだったわけです。【食堂デパート】がイギリスに伝わった際になんらかの理由で"department store"という表記になったものと思います。
これでこの話は完結できると思います。
サンダーバードのアイデアの元になった"department store"は【食堂デパート】新宿聚楽ビルと考えて良さそうです。
感想 §
二転三転。終わったと思った話にまだ続きがありました。ビックリですね。牛丼の戦前史を読んで近代食文化研究会さんをTwitterでフォローしたおかげで新しいヒントが得られるとは思いもしませんでしたね。牛丼の戦前史はもの凄く面白い本ですよ。