2005年03月07日
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赤松健とクリエイション論 第2回 「第3の登場人物『宮崎駿』」

Written By: 遠野秋彦連絡先

第3の登場人物「宮崎駿」 §

 この文章には、「ネギま!」を代表作とする赤松健と「舞-HiME」だけでなく、もう1つの名前を登場させる必要がある。

 2005年3月3日のニュース記事「ハウル」が「もののけ」抜いて邦画歴代2位には、動員記録の上位3作品を宮崎作品が占めたと伝えている。

 東宝は2日、公開中の宮崎駿監督のアニメーション映画「ハウルの動く城」の観客動員数が、同監督の前々作「もののけ姫」(1997年、1420万人)を抜き、1422万6000人に達したと発表した。

 東宝によると、日本映画では、同監督の前作「千と千尋の神隠し」(2001年)の2350万人に次いで歴代2位の記録となり、宮崎アニメが動員記録の上位3作品を占めた。(読売新聞)

 正直なことを言えば、私は宮崎アニメが好きである。「ネギま!」も好きだが、「ハウルの動く城」も好きである。しかし、「ネギま!」が恐れられるという状況が理解できないのと同じように、老婆ばかりが目立つ「ハウルの動く城」に「もののけ姫」以上の観客が入るという事態は全く理解できない。

 この理解できない感覚は、両者に共通するものが感じられる。

 仮に、この無根拠な直感が正しいとすれば、宮崎駿と赤松健には、共通する特徴があるという仮説が立てられる。

 もっと言ってしまえば、赤松健は、第2の宮崎駿たりえる可能性があるのではないか、とすら言いうる仮説を立てられるのではないか。

 このような無謀な着想が、この文章の補助線を構成している。

 つまり、赤松健と宮崎駿の類似性を示し、ついでにこれを書いている私こと「遠野秋彦」と赤松健の類似性にも言及し、「ネギま!」と「舞-HiME」の差違を明らかにするというのが、この文章の構成である。

目次 §

 注: 赤松健とクリエイション論には問題提起から結論に至る文脈、コンテキストがあります。つまり、それまでに行われた説明について読者は分かっているという前提で文章が組み立てられています。そのため、第1回から順を追って読まない場合、内容が理解できないか、場合によっては誤解を招く可能性があります。

表紙

赤松健とクリエイション論 第1回 「問題提起・なぜ舞-HiMEはネギま!を恐れるのか」

赤松健とクリエイション論 第2回 「第3の登場人物『宮崎駿』」

赤松健とクリエイション論 第3回 「重要な手がかりとなる赤松健インタビュー」

赤松健とクリエイション論 第4回 「組み合わせの創作法」

赤松健とクリエイション論 第5回 「新しいことにチャレンジする」

赤松健とクリエイション論 第6回 「つらいことが起こらないドラマ」

赤松健とクリエイション論 第7回 「ずば抜けた成功者の条件とは」

赤松健とクリエイション論 第8回 「『舞-HiME』は成功者の条件を満たすか?」

赤松健とクリエイション論 最終回 「将来について」