「実は『ヤマトことば』という、それって何の冗談?という本が出たらしい」
「あやふやだね」
「現物を見てないからな」
「なぜ見てないの?」
「本屋3軒で全て入手できなかったからだ」
「詳しい経緯を教えてくれよ」
- 桜上水駅内の本屋: 2冊か3冊入れたらしいが、もう売れてしまった (昼頃の話)
- 柴崎駅前の本屋: 仕入れてないらしい (店のおじさんに探してもらった)
- 下高井戸駅内の本屋: 折れていたので返品してしまい、現物が無い
「街の小さな本屋では、仕入れるか否かの当落選にあるタイトルということだろうな」
「なるほど」
「やや規模が大きいと入ってくるのだろう」
「でも、1冊じゃないね」
「多くはないが、複数入ってくるらしい」
「それなりに売れるという判断があるのかね」
「うん。問題はそこだ」
問題はヤマトの商品性 §
「問題はヤマトの商品性だ」
「というと?」
「だからさ。唯一買えた可能性のある桜上水では、午前中に売り切れているんだよ。昼頃にはもう無かったんだから」
「ちょっとまってくれよ? 発売日の午前中?」
「発売日当日だ。おそらく午前10時開店で、13時ぐらいまでに売り切れている。急行停車駅と言っても、乗り換え客が乗降する割合が多く、けして改札の外の本屋に多数の人が来る駅ではない」
「そんな規模の駅なのに、わずかな時間で売り切れか」
「この勢いが凄いだろ? わずかな2~3冊とはいえ、僅か数時間で売り切れだ」
「なるほど」
「まだあるぜ。実は柴崎の駅前の本屋。ヤマトことばは無かったけど、ディアゴスティーニのヤマト本がずらっと並んでいた。全巻揃うかは知らないけどね」
「なんと」
「けして大きな本屋ではない。売れるかも分からない本を置いておく余地はそれほどないだろう。もちろん、1冊2冊なら置くかもしれない。文化的貢献としてね。でもさ。ヤマト本をごっそり置くというのはその度合いを超えている」
「じゃあ、どういうことなんだ?」
「思ったよりも、ヤマトには商品性があり、それなりに売れるということだろう」
「なんと」
「注目されるのはガ○ダムばかり……というのは、勝手な思い込みであって、ガ○ダムへの世間の注目は予想よりも小さく、ヤマトに対する注目は予想よりも大きいのかもしれない」
「かなり屈折した状況だね」
「来るかもしれないぞ、第2次ヤマトブームが」
「猫も杓子もヤマトという時代が再来?」
「みんなヤマトを語る」
「猫も語るの?」
「そりゃ黒猫といえばヤマトだしね」
「それは意味が違う」
「潜在的にヤマトブームが再来する条件は揃った。あとは実写版が脳天をたたき割るぐらいの衝撃で観客をあっと言わせられるかだな」
「言わせたらどうなるの?」
「きっと、復活編パート2が見られる」
オマケ §
「で、君はヤマトことばをどうするの?」
「下高井戸の本屋に注文を入れたから数日中には手に入るだろう」
「ええっ? 買うの?」
「BD予算の都合でディアゴスティーニのヤマト本はパスしたけど、1500円程度の本が1冊ならパスはしないよ」
オマケ2 §
「観客をあっと言わせる、の観客って誰だい?」
「単なる映画好きや、デートコースに映画館を入れたカップルとか」
「オタクじゃないの?」
「オタクは何を見ても、あっと言わないだろう」
「予想もしなかったものを見せられても?」
「そうしたら、ああでもないこうでもないと言って苦情を言うだけだろう」
「じゃあ、どういうことになるんだろう?」
「だからさ。オタク界のブームになることはあり得ない。そういう未来はない。誰も望んでいないし、誰も狙っていない」
「じゃあ狙われたのは誰?」
「日本人そのものだろうね」
「それでいいの?」
「いい。なぜなら、そもそも造語でしかないガンダムと違って大和という言葉は日本人の心に届くからだ」
「やはりヤマトは国のまほろばか」
オマケIII §
「ちなみに、土曜に時間を移動したニューヴェストロイア」
「うん」
「サブタイトルが、赤い運命」
「ははは。赤いシリーズ」
「デジモンの主題歌は赤い衝撃だったけど、こっちは運命だ」
「ははは。変なところで楽しめるな。ターゲットは誰や!」
「でも分かったぞ。赤いスペクトラってさ」
「む?」
「キャプテンスカーレットだよな」
「赤くてスペクトラムか」
「でも、若い人には何を言ってるか分かるまい」
「よし説明しよう。赤といえば戦闘班。キャプテンは隊長。だからキャプテンスカーレットとは、戦闘班長古代進のことなのだ。ほらキムタクも手袋くわえながら赤い矢印の付いた服を着るだろ?」
「って信じたらどうするんだよ」
「ところで、金曜日の宇宙犬作戦は話が透明戦艦だよな」
「ロミュランか」
「スタッフがネタを分かってるよね」
「若者も堅物の相棒もすっかり悪党になってめでたしめでたし」
「めでたいのかよ」
「しかし、宇宙犬作戦も若者には分からないネタだろう」
「TOSだと思ってる連中になぜ犬なのかは永遠に分からないだろう」
「そうさ。富山の田舎に行ったときに見た宇宙パトロールとはお釈迦様でも思うめえ」
「しかし、お互いに悪党になったと褒めあって話を締めるとはやはり宇宙犬作戦も凄い中身だな」
「単純に正義の味方を気取りたい連中は置いてきぼりだろ」
「それでいいのか?」
「面白いからいい。それで許す」
「許しちゃうのか」
「そうじゃなきゃ、ハーロックは分からんぞ。あれも地球を反逆した悪党だ」
「確かに」
「あとヤマト2の半分は彗星帝国内部のごたごたの話だしね」