「ヤマトことばには、森雪、アナライザー系のエッチネタはない。沖田の、そういう癖は直さない方がいいも含めて」
「うん」
「でもさ。パンツ1枚で艦内一周は逃さない。デスラーの入浴シーンも逃さない」
「抗議の電話だね」
「だから、森雪系のエッチネタは採用しないが、男の色気は採用している」
「なるほど」
「でも、男と男の絡みはあまり入ってこない。いいわね、男の人っていいわねという古代と島が手を握り合う展開は入ってこない」
「そうか」
「あと、ズォーダーの能書きは見開き2ページで背景が都市帝国で目立つが、それに対する古代の反論は2ページだけど背景が白くて扱いが小さい」
「そうか。なんとなく作者像が見えてくるね」
「うん。だから、なんちゃってプロファイリングで作者像を推定すると以下の通りだ」
- 女性ないし女性をメインとした集団
- 別に森雪なんてどうでもいい
- ヤマト2とIIIが特に好き
- 2だとアンドロメダと土方が好き
- 年齢層は高め
- ヤオイではない。ホモ行為にはそれほど興味はないし、興奮もしない
- 上位者すら蹴り倒す傲慢な芯の強い男が好き。古代よりズォーダーやデスラーが好き (上記の土方もその流れ)
- 他にもいい男は敵でも目がないが偏りがある (一応まがりなりにもヤマト艦長だった山南は1つなのに、ヤマトIIIのグスタフは2つもある。でもガルマンウルフは1つもない。ヤマト捕獲の功労者なのに。ついでにルガール・ド・ザールは複数あるのにアルフォンは1つもない)
- 前書きに男の文字は多いのに、女の文字は1つもない
「けっこう具体的に見えてくるね」
「でも、ここから導き出される答えはかなり意外性があるぞ」
「というと?」
- 作者は、ヤマトファンであり、今時のオタク(ホモを愛好する腐女子)ではない高い年齢の女性ないし、そのような人物を中心とした集団
「ってただの想像だから信じるんじゃないぞ」
「結局、ヤマトファンはオタクとは別人種、という仮説を肯定するような結果になったね」
「うん。そうだ。おそらく作者は今時のよくある腐女子系ではなく、トリトンが弟みたいで可愛いと熱狂した初期アニメファン層の末裔ないし、そのようなファンそのものの現在形だ」
「それが何を意味するの?」
「男向け、女向けというセグメント分けが成立する前の世代だろう。だからコミュニケーション可能だ」
「女が、生身の男不要の空想上のホモ世界に逃避する前の世代ってことだね」
「男と女が同じアニメを見てファンだった時代の話とも言える」
「女の古代ファンクラブのサークルと男のヤマトファンが卓を並べられた時代ってことだね」
「あるいは、ヤマトが縁で男女が結婚できた時代とも言える」
「なるほど」
「おそらく、ガンダムまでは男女が同じアニメを見ることが可能だったが、そのあと徐々に分離していった感じがある」
「では、ヤマト時代になぜ君は結婚しなかったんだい?」
「理由は簡単だ。まだそれを意識するには若すぎたんだ。昭和のヤマトの時代はね」
「今なら若すぎはしないだろう」
「今度は年を食いすぎた」
オマケ §
「結局、この本のいいところはさ」
「なに?」
「傲慢不遜なデスラーの台詞がけっこう多いところだ」
「ズォーダーに恩があるのに、けっこう態度がでかいよね」
「ズォーダーの台詞もけっこうあるしね」
「そのへんは、けっこう君の趣味にも合いそうだね。ズォーダー好きだし」
「ところで、森雪の色気をやっと見つけた」
「というと?」
「宇宙遊泳でもなんでもして帰りますってところ」
「なぜ色気?」
「着替え中だから」
「はははは」
「隊員服を着ろ、って思わずウブな古代が言っちゃうわけだね」
「ウブな古代までは、この本の守備範囲ってことだ」