「というわけで、10月で終わるはずじゃなかったのか!」
「当初の予定ではそうだったのだよ」
「おまえも終わる終わる詐欺だな」
「実にヤマトらしくていいだろ?」
「褒めてない!」
「それでどうなんだ。この状況をどう説明するんだ?」
「説明は簡単だ。燃料補給無しの長距離航海は無理だ。この状況にいささかの変化もない」
「うん」
「でも。予想もしない燃料を補給できた」
「ヤマトことばとか、実写映画のノベライズとかだね」
「映画館でも、けっこう積極的にヤマトネタが拾えるようになった」
「なるほど。実写版上映間際だものね」
「実は、復活編上映前の映画館の雰囲気は知らないんだ。まだ映画館に通ってないから」
「映画館に通うのは復活編公開後から、だっけ」
「そう」
「そうか。ヤマト上映前のうわついたドキドキムードは初体験と」
「この年になってはずかしいわ」
「こらこら」
映画館通いで §
「素朴な疑問だけど、映画館に通ってヤマトの印象は変わった?」
「余り変わらないなあ」
「そんなもの? やっぱりヤマトがベスト?」
「他の映画がつまらないというわけではない。もしそうなら、こんなに劇場通いは続かない」
「でもヤマトは別格?」
「別格というより別腹だ。ヤマトはお腹いっぱいでも食べられる」
「ははは」
「結局、おいらにとってのファーストインパクトが宮崎駿で、セカンドインパクトがヤマトだったと言うことだな。この2つは明瞭に扱いが別だ」
「その2つ?」
「幼少の時、そらとぶ幽霊船みてるからな」
「物心が付く前?」
「たぶん小学校に上がる前だよ」
「それは本当の幼少。でヤマトは?」
「中学校に上がる前だよ」
「刷り込みって恐ろしい」
「遊星爆弾とゴーレムの恐怖が焼き付いている」
「なんか違う。で、高校に上がる前に体験したのはなに?」
「ファーストガンダム本放送」
「大学に上がる前に体験したのは?」
「(口うるさいオペレーター♀と一緒に空を見上げて)マクロス」
「ははは」
「通っていた高校の視聴覚室を借りて、マクロスの第1話2話を連続放送したスペシャルをみんなで見たのが懐かしい。そのときはアイキャッチが違ったんだぜ」
「でも、そこまで行くと刷り込みにはなってない感じだね」
「批判的に見る目も持っているからね。なんだまた今週もスタープロかよとか、14話紙芝居だぞとか」
「そうか」
「そもそも、マクロスを見て、これでいいんだろうかと議論になっちゃったわけだ」
「ははは」
「でもそれらは過ぎ去った話でしかない。マクロスが何を続編で作ろうと、もう見る対象に入ってこない」
「安っぽい弱そうなロボに変形しちゃうバルキリーよりコスモゼロってことだね」
「現在進行形でコスモゼロが劇場のスクリーンで飛んでくれるならもうバルキリー要らないよ」
オマケ・ロードI §
「本音を言えよ。VF-4好きだったんだろ」
「メガロード1の出航をエスコートして飛ぶ一条光のVF-4かっこよかったよね。ともかくメガロード1の艦長が奥さんでさ、愛があったよ」
「愛か」
「もちろんだ。ロボより愛だ」
「とことん、そこだね」
「しかし、VF-4を後から不細工なロボに変形させる必要は全くなかった」
「そっちもありか」
「ましてデストロイドモンスター」
「もともと歩行メカなのに後付けで変形の設定要らないはずだよね」
「というわけで、フラッシュバック2012の世界まであと2年」
「トランスフォーマー2010の世界はもう過ぎ去ろうとしているけどね」
「昔は良かったよな。1999年には月が飛んでいったし、1980年代は海からスカイ1が飛び出してUFO迎撃するところが、運がいいと見られたんだぜ」
「ビバ20世紀」
幻のオマケ2 §
「ぬえといえば、バリバリにヤマト関係の名前だ」
「うん」
「ところが、河森正治に限っては直接的なヤマトとの縁が希薄だ」
「なるほど」
「だから、河森正治デザインのバルキリーも縁があるようでいてそれほどない」
「そうか」
「で、実際にバルキリーに限界を感じたのは実はハセガワが最初にバルキリーを模型化したとき」
「どうだったの?」
「比較の対象が同スケールの実在機になったとき、デザインがやはり行けてないことが分かってしまった。いや実在機だけでなく、同スケールのサボイアS21とか、デルフィナス3とかの架空機にも負けてしまう」
「そこまで行っちゃうのか」
「その点で、やはり戦闘機パイロットを父親に持つ松本零士のデザインの方が一枚上手という感じがするな。まあ、あり得ないデザインという意味では確かに一緒だけど」
「それ以外でも差があるみたいだね」
「たとえば、FALKENは口を開いてレーザーを発射するトンデモ機体だし、フレスベルクやアイガイオン等のトンデモ巨人機も多いが、それでもあくまで飛行機なんだ。トンデモだけどまだしも飛行機の範疇にあるんだ。でも、ロボに変形させるとシルエットを強引に飛行機風にまとめても細部がどうしても飛行機にならないわけだ」
「そうか。そこに1つの限界ラインがあるわけだね」
「だから、むしろ細部の描写が存在しないペガサスの戦闘機形態の方が飛行機らしく見えるわけだ。逆説的にね」
「ペガサス級?」
「ノー! レインボー戦隊ロビンの世界は遠くなりにけり」
「え?」
「だから戦闘機がロボに変形するのはもうロビンで体験済みってことだ。そういう意味で、バルキリーの目新しさはガウォークにしかなかった」
「結局話題は古いネタを延々と続ける無時間的なオタクという話題に戻ってしまうわけだね」
「だからさ。実は時系列的に言うと、いちいち飛ばないときはロボに変形しないコスモゼロの方がより新しい潮流だったわけだよ」
「そのあとで、変形する戦闘機に回帰してしまったのが問題というわけだね」
「しかも、それが新しいと誤認したままでね」
「確かに、ビューティフルドリーマーでもハリアーはハリアーのまま飛んで変形しないし、サボイアS21もロボに変形しないね」
「そっちが本来の新しい流れのはずだったのだよ」
オマケのロビンちゃん §
「しかし、レインボー戦隊ねえ。既にその当時からロビンちゃんという女の子が戦闘機に乗っていたのか」
「ちがーう。ロビンは男の子。たとえロビンちゃんがバレリーナでニコ・ロビンが犯罪者でレインボー戦隊ロビンが戦う女の子を登場させたとしてもロビンは男の子だ」
「じゃあ、誰が戦う女の子なの?」
「ゲストキャラの敵のエースだよ」
「なるほど。エース公開処刑まであとX時間。白ひげ海賊団と戦争だ!」
「それも違う!」
余談 §
「しかし、はたと気付いた。いわゆる戦隊の原点はここだ」
「ええっ?」
「モノクロアニメなので気付くのが遅れたが、レインボーは7色だ」
「うん」
「7色の7人組がまず発想の起点だ。そこから5色の戦士ゴレンジャーが生まれ、パターンが踏襲されたと思えば良く分かる」
「でも、他人の作品だろう? 原案スタジオ・ゼロと言ったっけ?」
「他人じゃない。スタジオ・ゼロとは、石ノ森章太郎や藤子不二雄(A,F)らのアニメーション制作会社なのだ」
「そうか」
「で、ゴレンジャーは原作:石森章太郎」
「なるほど。連続した継承性があるわけだね」
「ちなみに、レインボー戦隊は2人ヒロインであり、既に後年の2人ヒロインシステムすら先取りしていたと言える。まあ猫型ロボット♀をヒロインにカウントすればだがな」
「なるほど。だから、イマイチ戦隊に乗れないのはそのあたりの新規性が少ないからだね」
「そうだ。レインボー戦隊が発想の起点だからな」
「なるほど」
「ついでに、空飛ぶゆうれい船も原作:石森章太郎」
「宮崎駿関係で名前が出てくるけどそうなのね」
「更に言えば、宇宙からのメッセージもこんなことになってる」
- 原案:石ノ森章太郎、野田昌宏ほか
- メカ・デザイン:石ノ森章太郎、ひおあきら
「ひおあきらって」
「話題が一回りしてヤマトネタに戻ってきたね」
「でも、話としては凄くよくわかってきたぞ」
「なにが?」
「たとえば、ガラット。あのロボは印象が薄い。ロボがひっくり返っても、たとえば原作石森章太郎の海底3万マイルの船が直立して海中を見られるアイデアと大差ない」
「なるほど」
「でも、どすこい姉妹は印象に残る。あんな姉妹はどすこい姉妹以外に見たことが無い」
「その理屈はヤマトにも当てはまるね」
「そうだ。あんな宇宙戦艦はヤマトでしか見たことが無い」
「アルカディア号もけっこう印象違うしね」
「まして他のアニメの宇宙戦艦はまるで違う」
「まあ、まほろばは?って突っ込みはありだろうけどな」
「ヤマト関連だから違うとも言い切れないし微妙」