簡単にメモ的にまとめます。
『魔法先生ネギま! 〜もうひとつの世界〜 第1話「壊滅!?ネギパーティ!!」』の構成上の疑問点です。
まあ素人が感じたことなので、本気で読まないように。
石になった人々のシーンにアーニャが出ていない §
ここでのアーニャの出番をカットしてしまうと、アーニャの存在意義が作中で意味不明になってしまう。他のクラスメートと同じ「いるだけのその他大勢の女の子」になってしまうが、本当はアーニャだけは立場が特別である。(しかも、その後かなり長い間登場のチャンスがおそらく無い)
いいんちょと明日菜の会話が長すぎる §
この2人の確執は既に終わった話であり、ここでの出来事は「終わった事実」の確認でしかない。全体の尺が短いのに過剰に長すぎる。もっと短く表現できるはず。
バトルが長すぎる §
見せ場を長く取ることがお客へのサービスだというのは、一面では真理ではあるが、この場では正しくない。奇襲で瞬間的に壊滅するネギパーティーと、3分間という復活のタイムリミットがあるシーンなので、短時間でストンと落ちるような構成を取るべき。
ちなみに、バトルそのものが短くとも、そこに至る演出がきっちりしていれば十分すぎるほど盛り上がる。
もう1つ言えば、原作では「ネギ負傷」がコミックの巻の区切りであり、その区切りを起点に演出的な盛り上がりが構成されている。その構成をそのまま持ち込んではバランスが悪くなってしまう。
祝詞に時間を使いすぎる §
残り30秒でネギくん大ピンチなのに、のんびり祝詞を唱えながら舞っている木乃香は明らかに不自然。心理描写という点では木乃香はもっと焦っているべきであり、呪文の発動描写も工夫すべき。たとえば、周囲の時間が静止して木乃香だけが動くであるとか、祝詞は唱えるのではなく文字が空中に浮かび上がるであるとか、最低必須詠唱時間を差し引いたタイムリミットで焦るとか、そういった表現方法を工夫できるはず。
これも、祝詞を凝ることは一般論としてはサービスの向上にあたるが、この場面で行うことは適切ではない。
雑感 §
たぶんスタッフの作品構成力が低いような気がしますが、それだけではなく原作そのものもトリッキーで扱いにくい構成になっていると思います。魔法世界に来た衝撃と感動をゲートポートから出ることなく描いた上で、3分のタイムリミットで付きでバトルを2回逆転させねばなりません。登場人物も半端なく多いし、それぞれが自分の立場に沿って行動しています。原作コミックでそれを的確に描ききっているのは、破格に高い表現力があればこそ。それを、原作通りにアニメに落とし込むのはかなり難しい仕事と言えるかも。
追記・明日菜のアデアット §
明日菜がアデアットするシーンで、過剰に股間をアップで強調するような演出は単に不要であるという以上に、むしろネギま!という作品の品位を落とす「悪い描写」だと言える。少なくともアニメのスタッフは、いかに原作ネギま!が女性読者に不快感を与えないような美しい「裸」や「下着」などの描写に注意を払っていて、それゆえに女性読者を獲得しているであろうという状況を何ら分かっていない。