SPACE BATTLESHIPヤマト
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2010年10月09日
トーノZEROアニメ感想宇宙戦艦ヤマトtotal 4656 count

小学館文庫の「SPACE BATTLESHIP ヤマト」読了せり

Written By: トーノZERO連絡先

「開いた口がふさがらないとはこのことだ」

「小学館文庫のSPACE BATTLESHIP ヤマト?」

「うん」

「具体的にどうなの?」

「よし。おおざっぱに箇条書きに書き出すぞ」

  • これはヤマトのストーリーじゃない
  • なのに、ヤマトの断片的な構成要素が山のように使われている
  • 構成要素はTV第1シリーズとさらばから取られている。映画版第1作でカットされたエピソード相当も多数収録
  • あっと驚く違いも多い
  • 特に結末が違いすぎる
  • 劇場版 機動戦士ガンダム00 -A wakening of the Trailblazer-がなぜああいう作品であるかが分かった

「もっと簡潔にまとめてよ」

  • ぜんぜんヤマトじゃない。石津嵐のヤマトぐらい、全くの別作品
  • でも、そこかしこに濃厚にヤマトを感じられる

「ヤマトじゃないの? ヤマトなの?」

「どちらも正解だろう。強烈なヤマトファンでなければ、こんな内容にできるわけがない、というぐらいヤマトなんだけど、ヤマトを期待すると裏切られるようにできている」

「ええっ? 意味分からないよ」

「うん。だからさ。この小説は映画のシナリオベースらしいのだが、映画ってのは常に観客を裏切らなければならないんだ。予測可能の映画は見なくてもいい映画だからね。だから、ヤマトファンが100%予測できるようなシナリオは常識的に書かない。だから、違うというのはある意味で当然なんだ。そこは問題ではない。問題にする奴はいるだろうが、本来映画的には問題ない。原作に忠実ってのは、単なる手抜きの代名詞だ」

「映画版第1作でカットされたエピソード相当ってどういうこと?」

「地球との最後の通信とか、敵機の捕獲とか、地球の目の前でデスラーが襲ってくる展開があるだろう? でも劇場版では全部カットされた。それが入っているということだ」

「へぇ」

「特に地球との通信があるのはいいことだ。あれこそヤマトの本質的にヤマトらしいエピソードだからね」

「そうか。それはいいね」

「でもさ。しましまとらのしまじろう、じゃなくて島次郎はミニヤマトを見せないんだよ。そういう話になってない」

「ええ!?」

「でもさ。地球残留の仲間達を励ます立場は貫徹されているから、いくら表面的に違っていても凄くヤマトなんだよね」

「へぇ。それはヤマトだ。とてもヤマトだ」

「それから、森雪とサーシャがそっくりだったろ? だからスターシャともそっくりだった」

「うん。松本美女はみんなそっくりとも言うけどね」

「松本美女クローン人間説」

「いや、そんな説は無いから」

「もとい。そうじゃなくてさ。スターシャという名前もサーシャという名前も出てこないけど、実は似ていることに合理的な理由が付いているんだ。ご対面のシーンでこれはびっくり。同じ顔で当たり前という解釈が付くのだ」

「それは凝ってるね」

「うん。だから、微妙に残ったしこりのようなものを解きほぐす作品とも言えるんだ」

劇場版 機動戦士ガンダム00の問題 §

「ところで、劇場版 機動戦士ガンダム00 -A wakening of the Trailblazer-がなぜああいう作品であるかが分かったってのが意味不明なんだけど?」

「うん。まず前提の話をしよう。ガンダムというのは、ヤマトの後を追いながらもっと上手くやろうとした作品だ」

「貴公、知っておるか? ヤマトを」

「ヤマト? 前世紀の映画ですな」

「ああ。宇宙戦艦でな、世間の動向を読みきれなかった映画だ。貴公はそのヤマトの尻尾だな」

「ちがーう。なんか違うの混ざったぞ」

「話を戻そう。だからさ。ヤマトが続編を作るとガンダムも続編を作るが、特攻批判が渦巻くと主人公は最後に死なないで精神だけ殺す。ヤマトがシド・ミードにデザインを発注するとガンダムも発注する。で、ディアナとキエルの全く関係ないそっくりさんは、森雪とサーシャの全く関係ないそっくりさんと構造が同じ」

「今回も同じだというの?」

「実写版ヤマトの敵はああいう敵だからだ。劇場版ガンダム00がそれに打ち勝つには、もっとハードにその上を行く敵を設定する必要があったのだろう」

「ちょっと待て。ガンダムが2010年9月で、実写版ヤマトは2010年年末だぞ。時系列がおかしいぞ。なんで後から公開する映画を先に公開した映画が真似できるんだ?」

「そう思うだろ? でも実はそうじゃない」

「というと?」

「ヤマトの撮影は2009年には既に終わっていて、あとはVFX等に使われているらしいのだが、そこから逆算して考えるとシナリオはかなり早い時期に脱稿していなければならない。特に主要な方針はかなり早い時期に確定していたものと思われるわけだ。権利関係のごたごたがあったから、コンセプトそのものの確定は遙かに早いという可能性すらある」

「ってことは?」

「映画の公開を待つ必要は無いんだ。シナリオがリークした可能性はあるし、両方に足を突っ込んでいる関係者がいないとも限らない。シナリオがリークしなくても噂話で漏れたかもしれない」

「なぜそう思うの?」

「この小説を読んで分かったが、作品のコンセプト自体が偶然というにはあまりにも酷似しているからさ」

「だから相手を意識した企画だと思う訳ね」

「そこは逆から考えると分かる。ヤマトにはああいう敵が出てくる余地がある。ともかく何が何だか分からない生き物もいろいろ出てきたぐらいだし、敵がとんでもない形でもそれを受け入れる余地はある。でも、ガンダムにはあまり無い。せいぜい変な仮面をかぶったおっさんが限度」

「シャア?」

「F91とかにも出てきたじゃない。仮面のおっさん」

「ああ、そうだね」

「それにも関わらず、あえてああいう敵を出してきたのはあまりに流れを無視して不自然なんだ。おかげで、なんだこりゃで絶句して肯定的評価のかけらも出てこない感想も見たことあるぞ。明らかにガンダムファンが待っていた映画じゃない」

「じゃあ、どういうこと?」

「だからさ。劇場版ガンダム00には、実写版ヤマトに勝たねばならない、というミッションが与えられていたのではないか?と思うわけだ。ちなみにWikiPediaには以下のように書かれているがこれも微妙に臭い」

監督の水島精二はテレビシリーズ企画時に「外宇宙の生物と戦うガンダム」という案を提示していたが、もう1つの案だった「戦争根絶のために戦うガンダム」の物語となった経緯がある。テレビシリーズの戦いを経て戦争根絶への道が開かれたことを受け、劇場版では新たな敵がまた現れて人類同士の戦いが繰り返されるのではなく没案となっていた「外宇宙からの来訪者」の要素を取り入れ、言葉も感情も通じない人類とは全く異なる種族との「対話」がテーマとなった。

「どこが臭いの?」

「いいかい。この劇場版00は、外宇宙の生物と戦わないガンダムが主役なんだ。だから、戦う構想とは似ているようで決定的に違う」

「ええっ?」

「だからさ。戦ってしまうヤマトとの差別化を行い、ガンダムブランドはヤマトの上位にありますよ、ってことをアピールするには、こういうストーリーが良かったということだろう。見比べた人がやっぱりガンダムの方が上だと思ってくれるように」

「無茶苦茶な解釈だな」

「単なるアイデアだから事実かどうかは知らんぞ。水島精二監督はそういう背景に便乗して作りたい映画を作っただけかもしれないしね」

「で、結局どっちの勝ちなの?」

「それは実写版ヤマトを見るまで結果は出ないよ」

「そうか。見ないと分からないのか」

「でもさ。1つだけ分かることもある」

「それは何?」

「ヤマトには思ったよりもでかい存在感がある」

「存在を意識している人が意外と多いみたいだってことだね」

「うん。2010年にもなってヤマトヤマトと浮かれているのはどうせおいらぐらいさ、と思ってあまり他人とは交わらなかったし、他人の動向もあまり見ていなかったが、実はヤマトファンってけっこうあちこちにいるような気がしてきた」

「それで?」

「うん。それと同時に、それを脅威と感じる人たちもいるらしい」

「脅威の世界!!光を飛び越えたヤマトってことだね」

「それは何か違う」

「胸囲の世界!!ハードルを飛び越えた生徒」

「それは学校の身体測定」

「てへ」

「だからさ。基本的に実写版ヤマトはTBS系の企画だから他の放送局は別にあからさまな応援もしてないけど、フジテレビ系の笑う犬が『新たなる旅』を名乗ったりするわけだ」

「そうか。この勢いが脅威か」

「損得抜きで意識しちゃう人たちがいるわけだね」

オマケ §

「分かったことは多いがそのうちの1つだ」

「うん」

「実写版の森雪はコスモタイガー所属だ。第1艦橋にはいない」

「それで?」

「森雪の仕事は、原作では太田が引き継いだ」

「森雪は座ってるだけになった、ということだね」

「実写版では、相原が引き継いでいた。太田は出てこないらしい」

「おっと。でも相原が報告? まあ電波を扱う仕事ではありそうだけど」

「でもさ。今気付いた」

「何を?」

「実写版の相原は女なんだよ!」

「そうか、森雪相当の仕事を第1艦橋でこなすから、相原は女の方がいいのか!」

オマケ2 §

「加藤は出てくる。山本は出てくる。南部も出てくる。でも太田は出てこない」

「差別だ、まずいコーヒーを飲んでくれるのは彼だけなのに」

「森雪が生活班じゃないから入れてくれないのだろう」

「だから出番が無くてもいいわけか」

「ついでに林も出番が無くなる」

「なるほど」

「杉山は出てくる。でも根本は出てこない」

「なんですと。仲良く冥王星基地に突っ込んだ仲じゃないか」

「そのかわり、斎藤と空間騎兵隊が乗ってる」

「『さらば』かって」

「アナライザーは出てくるけど、スカートめくりはしない。最初に古代の腕のコンピュータとして出てくる」

「まさに分析装置だね」

「そうそう。原作との違いと言えば」

「違いと言えば?」

「最初から司令長官に藤堂平九郎という名前がある」

「やったね、平ちゃん」

「あと納得した変更。島次郎は島の弟じゃなくて息子」

「島が古代と同年代の仲間だと、弟で小さな子供とは言えないわけだね」

「で、また島次郎が可愛くてけなげで泣かせるんだよね」

オマケIII §

「しかし、この結末で映画がヒットしたら世界がひっくり返る」

「それほどの結末?」

「そうだ。さらば宇宙戦艦ヤマト問題で揺れた後で、まがりなりも確定された価値観が根底から崩れかねない」

「そこまで?」

「うひひひひ。そうなったら嬉しいな。楽しみ楽しみ」

「波乱が楽しいのかよ。ところでジュース飲む?」

「私のいちばん楽しい時間をくだらぬ飲み物で邪魔しないでくれたまえ」

「おかしくなられている……」

オマケ新たなる旅 §

「そうそう。この小説ね。読んでいると明らかにミリタリー描写におかしいところがある。たぶん書いた人はミリタリーに詳しくない」

「たとえば?」

「艦隊と編隊の区別があまりついてなかったりするので、読んでいてふと止まったりする。一瞬、意味が把握できなくなって、読み返してしまう」

「なるほど」

「でもさ。ミリタリーマニアでもない普通人が昔のアニメのヤマトを見たら艦隊と編隊の区別が付かなくなって当たり前なんだよね」

「どうして?」

「ブラックタイガーがガミラスのデストロイヤー艦を銃撃して仕留めまくっちゃねえ。区別も付かなくなるよね」

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