正しいかどうかも定かではない思いつき、アイデアをメモっておきます。
メモなので無意味監獄です。とはいえ、そんな話題を書いても、みんな興味を持たないのは明らかなので、はたしてどれほどの意味があると言えるのか?
意味はなくても、伊達と酔狂はある、と言うことで書いておきます。
「虚情報」という概念 §
世界は情報だけでできているわけではない。情報工学は、情報ではないものを扱うよう拡張されるべきであるか?で、実体がない情報について書きました。ここでは「強度」という言葉がそれにあたりますが、その言葉を使って話を進めるのもイマイチ良くない感じがします。
そこで、どんな言葉を使うと良いかを考えましたが。
とりあえず、数直線上にない数を「虚数」と呼ぶことにあやかり、「虚情報」と呼んでみようかと思いました。
とりあえず定義を与えてみる §
虚情報とは、参照情報のみが存在し、参照される情報の実体が存在しないものを言う。虚情報は参照情報を通じて情報であるかのように振る舞うことがあるが、情報ではない。
参照情報すら存在しないものは、無情報であって、虚情報ではない。
でも虚数とは違うのだ §
虚数にあやかって虚情報と呼ぶことについて、実は1つの懸念があります。
と言うのは、虚数は実在するのに対して、虚情報は実在しないからです。虚数は数直線上に存在しないだけであって、複素平面上には実在するのです。それに対して、虚情報は、実体がなく、実在しません。
虚情報の性質: 嘘情報ではない §
虚情報は実在しないので、それが正しいか正しくないかということを考えることに意味はありません。常に間違っているわけではなく、たまたま正しいことを示しているかのように見えることもあるでしょう。
そういうことから、虚情報と嘘情報は異なるものである、言えます。
(おそらく、実在する嘘情報なるものは存在するのでしょう)
虚情報の性質: 参照情報は演算できる §
虚情報の、もっともやっかいな性質は、それが参照情報を通じて存在するかのように見えると言うことと、参照情報は実在する情報であり、演算可能という点にあるように思います。
参照情報が演算可能というのは、どういうことかというと。
まず比較判定ができます。つまり、この参照情報と、別の参照情報が同じ対象を参照しているかを判断することができます。
また参照情報には、他の情報を関連付けることができます。
その他、実在する情報に可能なあらゆる演算や操作が、参照情報に対して可能となります。実行できないのは、参照された情報の実体へのアクセスだけです。
虚情報の性質: アクセスの困難さによって存在が隠蔽される §
虚情報の実体は存在しないので、アクセスできません。
アクセスできないと分かれば、虚情報であることはすぐに明らかになります。
しかし、アクセスが困難である性質を持つ場合、虚情報が虚情報であることは、容易に明らかにはなりません。
遠隔地の情報であるとか、非常に抽象度の高い概念などは、容易にアクセスできないために、虚情報が虚情報であると判断されない可能性があります。
アクセスできない場合でも、参照情報は演算可能であるため、それをあたかも情報であるかのように扱うことはできます。
虚情報の性質: アクセスの困難さを偽装することで隠蔽される §
上記の特徴は、逆に使うことができます。
つまり、ある情報へのアクセスに失敗した時、それが虚情報であったという結論を出すことを回避するために、アクセスの困難さゆえにアクセスに失敗した、というロジックを組み立てることができます。
宗教的な情熱を持って何かを布教する立場などでは、論旨の破綻を回避するために、しばしば見られるロジック?
このようなロジックは、意識的に展開される場合と、自己防衛的に無意識的に展開される場合があり得る? 虚情報という概念を、明確にも不明確にも持っていない場合は、常に無意識的に展開される?
虚情報の性質: ミームを媒介にして広がる §
実在しないものへの参照情報には、通常の場合、価値はありません。
アクセスが困難であるためアクセス可能であるか確認が困難である参照情報であっても、それが何かを確認することが困難であるが故に、高い価値を見いだすのは難しいと思います。
しかし、ミーム(文化子)を媒介にすることによって、虚情報は伝播することができます。
ミームは、実在性や正しさを持つものよりも、より多くの人が受け入れたいと思うものが生き残り、幅広く伝播する性質を持ちます。たとえば、虚情報を含むミームがあるとしても、参照情報が実在しないことは重要な意味を持ちません。そのようなものは無くても、多くの人が受け入れたいと思う内容を持っていれば、それは幅広く伝播されます。
そのような点から見て、ミームと虚情報は密接な関わりを持つ?
付録: 既に用いられている「虚情報」 §
「虚情報」でgoogleの検索しを行ったところ、以下のページのみが見付かりました。
情報の4値論理
上記ページで使われている意味と、ここで述べた虚情報の定義はイコールではないようです。
とはいえ、このページで使われている用語も、どこかで定義された流通している用語と言うわけではなさそうなので、おそらく(幅広く使われている)既存の固有の意味は無いのでしょう。
ですので、しばらく「虚情報」という言葉を使ってみたいと思います。