「雪、少し退屈だな。ゲームでもしないか?」
「どういうゲームがよろしいですか?」
「そうだな。暇つぶしに地球のゲームでもやってみようか」
「それなら、いいボードゲームがありますわ。さっそく取ってきますね」
「ボードゲームとは可愛いな。人生ゲームだろうか」
「お待たせ。持ってきました。パンツァーブリッツとスコードリーダー、どちらがいいですか? 西部戦線の方がよろしければ、パンツァーリーダーもありますよ」
「へ?」
「あ、第7機甲師団とか、レッドサンブラッククロスとかもありますよ」
「そ、それはいったい……」
「それとも、アイアンボトム・サウンドとか、ああいう方が良かったですか?」
「ちょっとまてい。何のゲームだ!」
「だからボードゲームですけど」
これだから地球防衛軍の才女は……などと思わない純情なアルフォン少尉であった。
戦え暗黒星団帝国編 §
「雪、仕方がないのでもうちょっと地球のゲームを勉強することにしたよ。何かソロでプレイできる良いゲームはないかね?」
「それならPS2のヤマトシリーズはどうでしょう?」
「いいだろう。それをやろう」
……
「くそ、ガミラス戦役もガトランティス戦役もよく知らないからな。えらく苦労するぞ。だいたい、我が暗黒星団帝国がガミラスや地球を知ったのだってつい最近だし。あれらの戦役の経緯もよく分かってないし。しかし、やっとクリアしたぞ。次こそ、我が暗黒星団帝国が出てくる3枚目のはずだ! ここから先なら歴史もよく知っているぞ」
「残念。アルフォン少尉はヤマト2ルートではなくさらばルートを選んでしまったので、ここまでです。さらばルートではヤマトが特攻してしまうので、戦争に勝ってもゲームに続きはありません」
「な、なんだって!?」
「ついでにアルフォン少尉がゲームに夢中になっている間に、暇だったので重核子爆弾の制御装置も解体してしまいました」
「がーん」
頑張れアルフォン少尉!
ヤマトがいないさらばルートでも、地球の波動エネルギーに暗黒星団帝国が弱いのは結局同じだ!