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2009年06月12日
川俣晶の縁側歴史と文化下高井戸周辺史雑記total 2830 count

「て」さんよりのコメント・玉川上水のゴールは神田上水への補水というアイデアのメモについて

Written By: 川俣 晶連絡先

 「て」さんより、多数のコメントを頂きました。かなりの量とインパクトがあるので、少しずつ熟読させていただきます。

 まず1通目のみ。

 「玉川上水のゴールは終盤まで神田上水への補水であって、独立した上水ではないというアイデアのメモ」に対するコメントです。

こんにちは。初めて投稿します。以前から下高井戸在住なので、楽しく拝見してます。

 下高井戸在住で水路に興味のある方がいらっしゃるとは、心強いです。

この件。100%信じてはいけないと思っている部分もありますが、でも結構この説賛成です。

 素晴らしいお言葉です。ありがとうございます。

井の頭池のあたりから玉川上水は、グニャグニャが多くなります。言い換えれば井の頭池を羽村から目指していると言えるとも思います。因みに実際に江戸時代中期には、神田川の渇水の為玉川上水から臨時通水が行われたと絵付きで上水記にあります(場所的には現代の地図で見ると井の頭公園から真っ直ぐ曲がらずに池の終点に行く感じ)

現代に残っている玉川上水から神田川へ明星学園の側に残る用水跡は、後の農業用水か排水路だと思いますが…

 ああっ! 上水記にそのような記述がありますか! 以前見たときは、その時点で気になる箇所しか見ていないので、見なかったページが大多数。やはり上水記は1冊欲しいですね。いや本当に。

 それはさておき。西側から神田川に合流すると仮定したときの仮想経路として、標高データを見ながら私が検討したのは以下の3つです。

  1. 北西方向から井の頭の池の中心にまっすぐつなぐ
  2. 井の頭の池の南に回り込んで、池の南西端につなぐ
  3. 井の頭の池の全体を南に回り込んで、明星学園付近から神田川に合流する

 第1案は微高地を貫くので効率が悪く、第2案の方が有力だろうと考えます。実際の玉川上水の経路は、第1案で問題になった微高地を避け、第2案を目指して北西から池の南寄りに接近しているように見えます。

 しかし、それとは別に魅力的なのが第3案です。この経路には、かなり広い低地があり、もともとこのあたりに自然の河川が存在した可能性があります。実は「かなしい坂」の問題を考えたときも、この第3案の位置から神田川に合流する経路が割と自然に見えました。(それが実現可能かは別として)

 つまり、地図上で見るとやや距離はありますが、玉川上水の水を神田川に流すとすれば、非常に良好な場所の1つと考えます。その場所について指摘され、思わず「おおっ!」と声を上げてしまいました。

 ちなみに、「現代に残っている玉川上水から神田川へ明星学園の側に残る用水跡は、後の農業用水か排水路だと思いますが…」という部分は、おそらくここでいう自然河川ではないと思います。というのは、「杉並区立郷土博物館 研究紀要別冊 杉並の地形地質と水環境のうつりかわり」に掲載されたp43の地図では、水流のある川ではなく、浅い谷に分類されているように見えるからです。この本では、谷が形成される要因を「水流があった場所は関東ローム層が堆積しなかったから」としているので、過去に水流があった可能性はありますが、現在ないし比較的近い過去に自然の河川はなかったと解釈して良いのだろうと思います。

また、上北沢村が玉川上水開通前から井の頭の水を北沢川へ引いていた説に、すごく納得し信じています。だからゴールの変更に様々な力が時間の経過と伴に発生し最終形になったと考えています。

 少し先取りになりますが、実は「上北沢村が玉川上水開通前から井の頭の水を北沢川へ引いていた説」をそのまま信じている訳ではありません。現在、現実的にあり得る解釈として検討しているのは、実際には「井の頭の水」ではなく、下高井戸分水の原型となった自然河川の水源の水を引いた、というアイデアです。上記の「研究紀要別冊」の地図を見ると、現在の鎌倉街道入り口交差点付近が、神田川側と北沢川側の間を結ぶ「きわめて緩やかな谷」として描かれています。この谷の北側にこの水源が存在すると想定した場合、この「きわめて緩やかな谷」を経由して何らかの手段で北沢川側に水を流すことは可能ではないかと考えます。このアイデアの長所は、最初の北沢分水の取水点が「きわめて緩やかな谷」のあたりに位置するため、なぜ最初に「この場所」から取水したのかという理由が説明可能になることです (その時点で既に水路が存在した可能性がある)。一方で短所は、物理的のそのような水路を作成できるか(湧水が稜線下の地下水流とすれば、その湧水を流すことができる水路はその水流そのものを断ち切ってしまうことにならないか)等の疑問があることです。

 この「研究紀要別冊」を読み終わってから何か書こうと思っていますが、時間と気力の問題からなかなか読み切れません (汗。

因みに、現代資料に乏しいですが、玉川上水からの分水で上水記に記載の無い代田村用水について、今調べています。(出所は世田谷郷土資料館の絵地図と代田村の私家本だけですが)川俣さんにも特集してもらえれば嬉しいです。

乱文で失礼しました。

 すみません。この件はペンディングにさせてください。抱え込んだ問題がけっこう多いので、残念ながらそこまでは手が回りません。

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